浄化槽を設置される皆様へ 3つの義務
ご存知ですか? 3つの義務

浄化槽は、槽内に生育している微生物の働きを利用して汚水をきれいな水にする施設です。その働きを十分に発揮させるためには、適正な施工とともに、適正な維持管理が必要となります。

適正な維持管理を行うために保守点検・清掃・法定検査の3つが必要となります。これらは法令によって浄化槽管理者に義務付けられており、罰則等ももうけられています。

■ たいせつなこと、その1 浄化槽の保守点検(浄化槽法 第8条、第10条)
保守点検は、浄化槽法に基づいた技術上の基準に従って行わなければなりません。
業登録を受けている専門業者に委託しましょう。
主な検査項目
1 装置や機器類に異常はないか
微生物に必要な酸素を供給しているブロアの点検・放流水を移送しているポンプの点検・整備等
2 運転状況や放流水の状況は正常か
水の移送量や循環量の調整
放流水の透視度、残留塩素等の測定等
3 消耗部品の補充・交換
消毒薬の補充 ダイアフラムの交換等
4 清掃の必要性の判断
各装置の点検により判断
■ たいせつなこと、その2 浄化槽の清掃(浄化槽法 第9条、第10条)
汚水の浄化は、微生物による生物化学的作用と沈殿や浮上といった物理化学的作用によって行われます。この時、必ず汚泥やスカムが発生します。蓄積した汚泥やスカムを定期的に槽外に引き出す必要があり、これを清掃といいます。清掃は、市町村の許可を受けている業者に依頼して行ってください。
■ たいせつなこと、その3 浄化槽の法定検査(浄化槽法 第7条、第11条)
浄化槽の状態が正常であるか否かについて、知事の指定する検査機関(指定検査機関)による検査を受けることが義務付けられています。検査の結果は行政に報告します。検査には、新たに設置された浄化槽について行う設置状況の検査(7条検査)と7条検査後毎年1回行う定期検査(11条検査)があります。

7条検査(設置状況の検査)

これは、浄化槽が適切に設置されて所期の性能を発揮しうるかどうかを検査するものです。
浄化槽の使用開始後3カ月を過ぎて行います。設置状況や処理性能を検査し、不適事項があればそれを早期に是正することを目的としています。
主な検査項目
外観検査
ア) 設置状況
イ) 使用状況
ウ) 設備の稼働状況
エ) 水の流れ方の状況
オ) 消毒の状況
カ) 悪臭の発生状況
キ) はえ、か等の発生状況
 
水質検査
ア) 生物化学的酸素要求量(BOD)
処理水の有機性汚濁量を測定し、所期の性能が発揮されているかを確認します。
イ) 透視度
処理水の透明度を測定し、清澄な処理水が得られているか確認します。
ウ) 残留塩素濃度
残留塩素濃度を測定し、消毒が十分かを確認します。
エ) 溶存酸素濃度(DO)
水の浄化に欠かせない好気性微生物が活発に活動できる状況にあるかを確認します。
オ) 水素イオン濃度(pH)
処理水のpHを測定し、浄化した処理水pHが中性近傍にあるかを確認します。
 
書類検査
ア) 設置浄化槽と届出書類の確認
イ) 保守点検の記録

11条検査(定期検査)

すべての浄化槽について、7条検査受検後、毎年1回、定期的に指定検査機関の行う水質に関する検査を受ける必要があります。これは、浄化槽の保守点検及び清掃が適正に行われているか、また、浄化槽の機能が正常に維持されているかを検査し、不適事項があれば早期にそれを是正することを目的としたものです。
主な検査項目
外観検査
ア) 設置状況
イ) 使用状況
ウ) 設備の稼働状況
エ) 水の流れ方の状況
オ) 消毒の状況
カ) 悪臭の発生状況
キ) はえ、か等の発生状況
 
水質検査
ア) 生物化学的酸素要求量(BOD)
イ) 透視度
ウ) 残留塩素濃度
エ) 溶存酸素濃度(DO)
オ) 水素イオン濃度(pH)
 
書類検査
ア) 保守点検の記録の確認
イ) 清掃の記録の確認
ウ) これまでの検査記録との照合

罰則等

保守点検・清掃
保守点検や清掃が定められた基準に従っていないとして都道府県知事が改善命令や使用停止を命じ、この命令に違反した場合(6カ月以下の懲役又は100万円以下の罰則)等
法定検査
7条検査及び11条検査の未受検者に対し、都道府県が指導、勧告、命令を行うことができ、これに違反した場合(30万円以下の過料)
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